疫病と日蓮② 書簡における疫病の記述（改）
前々回に書いたように、日蓮の書簡を検索し、疫病に言及した箇所を精査しているが、相当な漏れがあったので、ここに訂正を含め改めて示したい。他にもあれば御教示いただきたく存じます。
疫病
やくびやう
大疫病
大疫
大えき
疫癘
疫れい
えきれい
章厲
疾疫
病疫
疫死
飢疫
日蓮書簡の語句は日蓮大聖人御書全集全文検索（創価学会）でウェブ検索できるが、これは図録類が未収録であるから、釈迦一代五時継図等は原本（第266刷）で再検索した。また同書未収録分については昭和定本日蓮聖人遺文（全4巻、改訂増補第3刷）で真蹟断簡等を検索した。昭和定本は昭和63年の増補改訂で日蓮聖人真蹟集成（法蔵館、昭和51年刊行）収録の真蹟遺文のうち未収録分を一括して第4巻に増補収録している。
管見の限りでは、以上三書を網羅した検索により、上記13種の検出語、合計約90カ所確認できた。
その上で、以上の三書に未収録で近年新たに発見された真蹟の一覧が、池田令道「日蓮遺文の編纂と刊行」（小松邦彰・花野充道責任編集『シリーズ日蓮２ 日蓮の思想とその展開』春秋社所収）に103〔追記 2020/06/01：同書付記に五つ追加され計108〕紹介されており、その中の本文にも疫病の記述はあり得るだろう。
なお具体的な検出箇所はまた後日示せればと思う。■
