2019-01-01から1年間の記事一覧
船山徹『仏教の聖者 史実と願望の記録』(臨川書店、2019年)を読了。 仏教において「私は覚った」と周りに触れ回る人はいないだろう。仏弟子がそう言えば、「おいおいなに言っちゃってるんだ、お前は増上慢(覚っていないのに覚っていると思いあがる)だ」…
仏教聖典形成史を専門とする下田正弘氏の『パリニッバーナ 終わりからの始まり』(NHK出版、2007年初版)は一般人向けの100ページ超の短い書ですが、絶版でもあり、あまり知られていないようです。事あるごとに読み返したい一冊なので、メモしておきました。…
自己責任論は「あんたの努力が足りないから、そういう結果になるんだ」という因果の語法ですが、なんとも冷たい響きをもった、現代社会の「呪い」の典型のようです。 この自己責任論を徹底的に批判してきた湯浅誠氏の著作は、何度も読み返したいと、今回メモ…
こんな読みやすかった? Twitterの140字いっぱい使ったまじめなツイートが読めるなら、そんなふうに感じるのではないでしょうか。 トルストイ『懺悔』(原久一郎訳、岩波文庫)読了。『戦争と平和』等で文豪の名声を確立したトルストイが、自死まで思いつめ…
歴史学者の上原専禄(1899-1975)という人物については、彼の著作『死者・生者ー日蓮認識への発想と視点』を読むまでは知りませんでした。門下には阿部謹也もいるのですね。 上原は1969年に自分の妻を病で亡くしますが、それは医師の誤診どころか不正や非道…
トルストイの『復活(上)』(藤沼貴訳、岩波文庫) を読了。引き続き下巻を読んでいます。 あらすじについては、以下のブログを参照させていただきました。レフ・トルストイ『復活』 | 文学どうでしょう まったく色褪せない古典ですが、興味深い一節を引用…
なんとも、おどろおどろしいタイトルのような。仏教学者の平岡聡氏による『南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経』(新潮新書)です。 人と法の関係について ライトな新書ですが、結構、鋭い引用があったので、メモします(同書75頁)。三枝充悳『ブッダとサンガ』…
以前、高崎直道『『涅槃経』を読む』(岩波現代文庫)という本を読んで感銘を受けました。以下、雑感を記します。 仏教の歴史は「師弟の歴史」であることを痛感します。それは釈尊という師とそれ以外の弟子という意味の師弟であり、また各宗派の祖師とその弟…
はじめまして。読書をしながら調べ物をこつこつやるのが好きです。ここでは、日記、読書、仏教について、メモや雑感をつけていきます。湧き上がるものを、その時その時に、本の引用とともに綴っていきます。 免責事項。ブログ内の文章はすべて個人的意見であ…