2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
近代から出版された日蓮(1222-82)の書簡集は、国立国会図書館(NDL)で閲覧可能であり、中には版権切れからウェブ公開され、ダウンロードできるものがある。しかし入力された書誌情報が不正確なためか、見つけづらいものがある。ここではウェブ公開中のも…
以前、疫病と日蓮③ 弥三郎殿御返事 ノートを書いたが、さらに調べると書誌情報に補正が必要となったので、ここに当該箇所のみ整理しなおした。 建治3(1277)年8月4日、与弥三郎、弥三郎殿御返事(真蹟ナシ、京都本満寺本)、御書1449頁、定253番。(参考文…
日蓮の法華経弘通の方法と法華経の教えの解釈に「折伏」という語がある。特に前者は日蓮系教団のみならず日蓮のイメージとして広く人口に膾炙してきた。これについて論ずるのは、あまりに膨大な先行研究を前に鵜の真似をする烏となる。 今ここで確認したいの…
Jacqueline I. STONE, “The Atsuhara Affair: The Lotus Sutra, Persecution, and Religious Identity in the Early Nichiren Tradition”, Japanese Journal of Religious Studies, vol. 41/1, pp.153-189, 2014 本稿は、日蓮(1222-82)の最晩年に富士地方…
日蓮の書簡・著作の題名には「○○抄」と名づけられたものが多い。これは「撰時抄」等、日蓮自身が真蹟で付けた場合と、「如説修行抄」や「兄弟抄」など写本によるか後世に読み習わされてきた場合とがあり、後者が圧倒的に多い。この「抄」という字について素…
建治3(1277)年8月4日、与弥三郎、弥三郎殿御返事(真蹟ナシ、京都本満寺本)、御書1449頁、定253番。(参考文献の略記の詳細は末尾に記載) 本文抜粋①されば今の日本国の諸僧等は、提婆達多・瞿伽梨尊者にも過ぎたる大悪人なり。又、在家の人々は此等を貴…